白井市出身の書家、小川瓦木(がぼく)(1911-2000)の生誕100年を記念した企画展「字かきやろ小川瓦木生誕百年記念展-未来への遺産-」(産経新聞社、産経国際書会など後援)が、白井市郷土資料館で開かれている。さまざまな場所に点在している小川作品が一堂に集まるのは初めてで、同資料館でも「大変に貴重な作品展です」と話している。
小川瓦木は若いころ、民間企業に就職し、企業幹部らの挨拶状を代筆したこともあるという。昭和8(1933)年に前衛書家として知られる上田桑鳩(そうきゅう)らによって結成された「書道芸術社」が掲げた、悠久の歴史を持つ書の古典を土台としながらも、現代に息づいている書を創造しようという潮流の中に身を置いたといわれている。産経国際書会の設立にも、発起人として参画した。
同館には遺族らから、小川作品が200点余り寄贈されており、常設展示をしている。だが、今回の企画展は、産経国際書会の副会長でもある石川天瓦さんが実行委員長となっての開催で、小川作品の「大作」を所蔵する寺院や美術館などの協力を得て開催が実現した。
展示されている作品は約20点。そのほとんどは絵画などの芸術と同じともいえる作品だ。県立美術館の「叙情」、栃木県の日光山輪王寺の「色即是空」、長野県佐久市立近代美術館の「古代人からのメッセージ」など全国各地の美術館などで所蔵されている小川作品が並ぶ。
成田山書道美術館が所蔵する「臨空海益田池碑」は、黒和紙に朱色で書かれた作品だが、大作のあまり全体の3分の1しか展示できなかったという。同資料館の担当者は「小川作品がこれだけ集まることはめったにない。まれな作品展だ」と話し、来場を呼びかけている。
5月1日まで。入場無料。月曜、祝日は休館。問い合わせは同資料館(電)047・492・1124。