品川美容外科事件、印西市在住警部・OB逮捕

品川美容外科事件、警部・OB逮捕 3容疑者、否認の供述

 「品川美容外科」(東京・港)の業務上過失致死事件を巡る捜査資料流出事件で、警視庁は22日未明、捜査資料を同外科側に漏洩したとして、同庁捜査1課警部、白鳥陽一容疑者(58)=千葉県印西市木下東4=を地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕した。内部資料が流出した不祥事は、捜査の現場責任者が関与した刑事事件に発展した。

 また漏洩を働き掛けたとして、同外科に再就職していた元警視庁警部、中道宜昭容疑者(53)=千葉県野田市岩名2=と、同、石原三八一容疑者(61)=茨城県守谷市みずき野6=を同法違反(そそのかし)容疑で逮捕した。

 同庁によると、白鳥警部が「漏洩した覚えはない」と供述するなど、3人はいずれも容疑を否認しているという。

 白鳥警部の逮捕容疑は昨年3~8月ごろ、同外科池袋院(東京・豊島)で発生した死亡事故の被害者に関するメモなどの捜査資料のコピーを中道、石原両元警部に渡して職務上知り得た秘密を漏洩した疑い。

 中道、石原両元警部は昨年3月ごろ、都内で白鳥警部と面談し、遺族との示談交渉を進めるため、捜査資料を漏らすようそそのかした疑い。

 白鳥警部は池袋院で2009年12月、脂肪吸引手術を受けた女性患者(当時70)が死亡した業務上過失致死事件の現場責任者だった。同庁は白鳥警部が警視庁を退職していた中道、石原両元警部を同外科側に紹介したとみている。中道元警部らは昨年3月、被害者遺族との示談交渉などに当たる渉外担当として同外科に再就職していた。

 白鳥警部が同事件の捜査中に同外科関係者と飲食を共にしていたことも新たに判明した。

 22日早朝、記者会見した桜沢健一警務部参事官は「警察官として言語道断の行為で極めて遺憾」と謝罪。捜査対象の同外科にOB2人が再就職したことには「大変問題があるが、退職者には指導できない。いかんともし難い」と釈明した。

 漏洩した捜査資料の内容については「捜査の中で明らかにしたい」と明言を避ける一方で、捜査資料が同外科側に流出したことによる業務上過失致死事件への影響はなかったとの認識を示した。

 同庁は21日午前から、白鳥警部、石原元警部を都内で、中道元警部は滞在先の京都市内で任意の聴取を開始。22日午前1時半すぎに白鳥警部、石原元警部を逮捕した。中道元警部は21日深夜になって聴取の継続を拒み、京都府警七条署から車で立ち去った。22日午前5時すぎ、三重県内の高速道路サービスエリアにいるところを発見、逮捕された。

引用元: 品川美容外科事件、警部・OB逮捕 3容疑者、否認の供述  :日本経済新聞.

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