白井市議選 北総線値下げ争点 税金投入「イエス」「ノー」
2011年4月21日
定数二一に対し二十八人が立候補している白井市議選(二十四日投開票)。議会の不信任を受けて今月八日に前市長が失職するなど、市政混迷の発端になった北総線運賃引き下げに絡む税金投入の是非が、そのまま争点になっている。市民に選択を迫る候補者たちの姿を追った。 (横山大輔)
市議選が告示された十七日、税金投入に反対する候補者グループをつくる現職十人と新人三人が、北総線の各駅前を一緒に回り、声をそろえた。「税金投入は根本的な値下げを不可能にする」「正しい市政のため、十三人全員の当選を」。「個人戦」のはずの市議選で候補者同士が手を結ぶ珍しい光景だった。
反対派は鉄道利用者に直接訴えられる街頭演説に力を入れる。十九日午後、西白井駅前では午後の数時間だけで代わる代わる六人が訪れた。ある候補は福祉や教育などにも触れたものの、訴えの大半は「北総線」。「この市議選が正しい税金の使い道に戻す天王山の戦い」と語気鋭く訴える候補もいた。
一方、容認派の訴えは、主張を強める投入反対派候補に比べて控えめに映る。ある現職候補は「北総線を利用する千葉ニュータウン住民より旧来の住民が支持層。そこを固めるのが先」とあいさつ回りに重点を置き「街宣は最低限」。別の候補は演説にも積極的だが「北総線は二の次」。住宅地では「県と沿線六市で結んだ値下げ合意で、問題になっているのは白井だけ。初の値下げが実現できたのは事実」と一定の評価をした上で「大事なのは北総線問題だけではない」と語り掛けた。
容認派の多くを占める保守系は、前市長が出馬表明している市長選(五月十五日告示、二十二日投開票)に対立候補の擁立を模索。税金投入は認めるものの「前市長支持と思われたくない」との空気が流れる。反対派も独自候補を立てる考えだ。
改選前の市議二十人(欠員一)のうち反対派は十人で、容認派と真っ二つの状態だった。今回の選挙では賛否を明らかにしていない新人候補もいるが、改選後の勢力図が問題の行く末を左右する。
引用元: 東京新聞:白井市議選 北総線値下げ争点 税金投入「イエス」「ノー」:千葉(TOKYO Web).