房総のむら 古墳出土の石枕 企画展

古墳出土の石枕 企画展

2011年07月20日

 県内の遺跡からの出土品を紹介する今年度の巡回展「房総発掘ものがたり」が、栄町の県立房総のむらで開かれている。県教育振興財団文化財センター主催。古墳から見つかった石枕が集められている。

 石枕は遺体の頭の下に置いたもので、全国で120個ほど発見され、うち約50個が県内で出土。古墳時代の房総の文化の個性を物語るものと考えられている。
 中小規模の方墳や円墳に使用が限定され、前方後円墳など大型の古墳からの発見例はないのが特徴だ。

 当時は、利根川から霞ケ浦、印旛沼などがつながった内海が広がっていたが、水際に沿うように分布している。材料の石も、内海の水運を利用して運ばれたようだ。

 同センターの栗田則久普及資料課長は「石枕の展示会は32年ぶり。房総の文化の独自性や文化圏の広がりを考える手がかりになるのでは」と話している。

 24日午後1時半からは、石枕をテーマにした考古学講座も開かれる。同センター中央調査事務所の白井久美子所長が講師。古代の房総の支配者たちの葬送儀礼を解説する。問い合わせは同むら・風土記の丘資料館(0476・95・3333)。

 ほかに袖ケ浦市の中世の集落跡・文脇遺跡で昨年出土した大量の銅銭などが出展されている。開催は8月14日まで。その後、野田、館山、袖ケ浦、市川、千葉と巡回する予定。

引用元: asahi.com:古墳出土の石枕 企画展-マイタウン千葉.

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北国分開発時に出土した土器にイノシシの線刻画を発見

土器にイノシシの線刻画

2011.2.8 21:23

千葉県市川市は8日、同市堀之内の「権現原(ごんげんばら)貝塚」から出土した縄文土器にイノシシの線刻画が描かれていたことを明らかにした。立体で動物を表現した土器は多いが、線刻画によるものは極めて珍しいという。来月に一般公開される。

土器は26年前に見つかっていたが、線刻は文様の一部と思われていた。一昨年秋、市立市川考古博物館の領塚正浩学芸員(48)が、市史編さんにともなう史料の確認中、改めて線刻に気づき、約1年間かけてイノシシが描かれていることを確認した。

土器は縄文時代中期の「加曾利(かそり)EIV式」で、欠けている上部を除いて高さ約30・7センチ、直径約27センチ。細い棒で描いたとみられる線刻画は外側中央部分にあった。眼球のない目元と鼻、C字型の牙、体毛らしいものが確認でき、イノシシの顔が正面から抽象的に描かれている。

権現原貝塚は、約2万年前(旧石器時代)~約500年前(戦国時代)の、住居跡を中心とした複合遺跡。北総鉄道北国分駅前開発に伴い、昭和60年に市教委などが発掘調査を行った。土器は縄文時代中・後期(約4千~3800年前)の16号住居跡で見つかった。竪穴式住居の入り口の下に埋められていたことから、宗教的意味を持つ「埋甕(うめがめ)」とみられるという。

原始絵画を研究する設楽博己・東京大学大学院教授は「縄文土器の取っ手などにイノシシが立体的に表現されることはあるが、線刻画は全国的にも珍しい」とコメント。領塚学芸員は「イノシシは多産と豊饒の象徴として描かれたのではないか。土器内部の炭化した内容物も調べたい」と話している。

一般公開は考古博物館に隣接する市川歴史博物館(堀之内)で3月5日~5月29日(月曜と3月22日休み)。入場無料。問い合わせは考古博物館(電)047・373・2202。

引用元: 土器にイノシシの線刻画 – MSN産経ニュース.

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