千葉県内農業、台風の傷深く 震災・原発に追い打ち
千葉県を直撃した台風15号は県内農業に大きな打撃を与えた。東日本大震災後の原発事故による風評被害などからようやく立ち直り始めた直後の災害に、関係者のショックは大きい。大震災で県内農業は総額174億円もの被害が発生したといわれる。台風の後始末に追われる農家は「泣きっ面にハチだ」と疲労の色を濃くした。
銚子市の名産のキャベツ。甘さが強くやわらかいのが特徴で、一部は「灯台キャベツ」のブランド名でも知られる。銚子市全体では約950ヘクタールの栽培面積がある。
銚子市内を管轄するちばみどり農業協同組合(JAちばみどり、千葉県旭市)によると、このうち10ヘクタールの畑で塩害の被害が出た。台風で海水が巻き上げられ、海沿いの畑に植えられたキャベツの苗にかかったという。
塩害を受けるとキャベツの苗はしおれ、商品価値は無くなってしまう。新たな苗を植えるために土などの塩分を少しでも取り除こうと、22日は早朝から多くの農家が畑の水やりに追われた。
被害の程度によっては、苗をすべて取り換える農家もある。銚子市や隣接する旭市周辺は東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴う農産物の風評被害が大きかったエリアだけに、JAちばみどりの担当者は「風評被害が一段落したばかりなのに」と肩を落とす。
全国一の生産量を誇るナシも被害を受けた。県内で最も生産量が多い白井市によると、約10戸の農家で防風ネットが飛ばされ、半数以上のナシが地面に落下。報告は市役所にすべて届いていないため、市農政課の担当者は「被害の連絡は増える可能性がある」と話す。
幸いにも、市の代表的な銘柄で収穫量も多い「幸水」「豊水」は収穫をほぼ終えていた。ただ、ナシはリンゴと比べ傷みやすく、傷が付くとほとんど売りものにならないといい、農政課の担当者は「落下したナシはすべて廃棄処分せざるを得ないのでは」と指摘する。
県が22日までに確認した台風15号による県内農産物の被害総額は約1億700万円。ナシで約1200万円、キャベツで約300万円に上った。
大震災から続く自然災害だけに、一部の農家からは「国や県には何らかの形で補償してほしい」との声が上がるが「農業共済の保険以外に、国や県で台風による被害を補償する制度は無い」(県農林水産政策課)のが実情。県は農業事務所の職員らが農家や農業関連の団体をまわり、相談に応じるなど可能な限りの対処を続けるという。
千葉県内農業、台風の傷深く 震災・原発に追い打ち
2011/9/23 1:30 小サイズに変更javasc#ipt:void(0)中サイズに変更javasc#ipt:void(0)大サイズに変更javasc#ipt:void(0)印刷
千葉県を直撃した台風15号は県内農業に大きな打撃を与えた。東日本大震災後の原発事故による風評被害などからようやく立ち直り始めた直後の災害に、関係者のショックは大きい。大震災で県内農業は総額174億円もの被害が発生したといわれる。台風の後始%9
引用元: 千葉県内農業、台風の傷深く 震災・原発に追い打ち :日本経済新聞.
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