白井市議会・北総線問題で混戦に拍車
2011年04月21日
北総線の運賃値下げ問題に端を発し、市長の失職という異例の事態に陥っている白井市。現在行われている市議選でも、この問題が大きな争点となっている。
同市議選(定数21)の候補者は現職19人、新顔9人の計28人。うち、北総線の運賃問題で公費負担による5%値下げなどに反対する候補者13人が告示日の17日、のぼり旗を掲げて、北総線の白井駅、西白井駅の周辺などを練り歩いた。
市議選での統一行動はあまり例がない。ポスターにも、「適正な北総運賃を求める議員+αの会」と書かれた統一のマークを印刷している。現職候補の一人は「13人が結束しているというキャンペーン。選挙期間中、ずっとやるわけにはいかないが、有権者に対して強くアピールするためにやってみた」と話す。
前回2007年の候補者は24人だったが、北総線がらみで新顔が増えたことなどから、今回は定数より7人オーバーの狭き門だ。
北総線の運賃問題で、議会は賛成派と反対派に二分された。「県と沿線自治体の合意に基づき、応分の補助金を支出したうえで、さらなる値下げを求めるべきだ」と賛成派。反対派は「公金の支出はおかしいし、値下げ幅も足りない。京成からスカイアクセスの線路使用料を適正に支払ってもらえば、問題は解決する」と訴える。
これまで欠員1で賛成派と反対派が10対10。議長を出した方が少数派になったため、双方とも北総線問題で主導権を握ろうと躍起だ。ある現職候補は「候補者擁立の際、賛成派、反対派とも過半数を確保しようと動いた。そういう意味で前回より盛り上がりはある」と話す。
市議選の結果は、5月22日投開票の市長選にも影を落とす。市長選も北総線の問題が大きな争点となるが、市議会の勢力図がはっきりすれば、市政運営も大きく左右されるからだ。
北総線問題で二分されていた議会は、4分の3以上の賛成を必要とする市長の不信任決議では、構図が微妙に崩れた。北総線問題で横山久雅子市長を結果的に支えていた議員のほとんどが、市長が寄付行為などを巡って公選法違反の指摘を受けたことなどを理由に、不信任の賛成に回った。
横山市長は失職の道を選び、いち早く再選に向けて立候補を表明している。一方で、不信任を突きつけた経緯から、北総線問題の賛成派、反対派の双方がそれぞれ候補者の擁立を模索しており、三つどもえになる公算が大きい。ただ、市議選の結果次第で、追い風か逆風かがはっきり分かれるため、今のところ水面下での調整が続いている。(小松重則)
引用元: asahi.com:白井市議会・北総線問題で混戦に拍車-マイタウン千葉.